今日はこのようなことについて調べてみました。
嗅覚の機構については嗅覚受容体の正体が明らかになる以前から4つの説が提唱されていた。
振動説:分子から放出された電磁波あるいは分子の機械的振動で受容体を活性化する。
化学説:分子が受容体と化学反応することで受容体を活性化する。
酵素説:分子が補酵素として働き受容体酵素を活性化する。
立体説:分子が受容体のポケットにきれいにはまると受容体を活性化する。
1980年代以降、分子生物学的な手法の導入により嗅覚受容体の正体が明らかとなっていった。2004年のノーベル生理学・医学賞はリチャード・アクセル(Richard Axel)とリンダ・バック(Linda Buck)の嗅覚受容体の研究に対して与えられた。
空気中の化学物質は鼻腔の天蓋、鼻中隔と上鼻甲介の間にある粘膜(嗅上皮)の嗅細胞によって感知される。この嗅細胞の細胞膜上には嗅覚受容体であるGタンパク共役受容体(GPCR)が存在し、これに分子が結合して感知される。受容体を活性化する分子が結合すると、嗅細胞のイオンチャネルが開き、脱分極して電気信号が発生する。この電気信号は嗅神経を伝わり、まず一次中枢である嗅球へと伝わる。さらにここから前梨状皮質、扁桃体、視床下部、大脳皮質嗅覚野(眼窩前頭皮質)などに伝わりいろいろな情報処理をされて臭いとして認識される。
ヒトでは約350種類、マウスでは約1000種類の嗅覚受容体が発見されている。それぞれの嗅細胞にはただ一種類のGタンパク共役受容体が発現している。そして同じ種類の受容体を持つ嗅細胞からの嗅神経は嗅球内の同一の糸球体へと投射されている。嗅細胞の寿命は約20?30日で次々に補充されていることから、嗅細胞を適切な糸球体と結合させる何らかの機構があると考えられている。
それぞれの嗅覚受容体は特定の一種類の物質のみが結合するわけではなく、いくつかの類似した分子が結合できる。また、ある一種類の物質は数種?数十種の受容体と結合できる。それゆえ、臭いの種類の認識は活性化された受容体の種類のパターンを脳が識別し、記憶と照合することでなされているものと考えられている。
特定の臭いへの感覚は個々人によって異なるが、この差は場合によっては遺伝子配列にまでさかのぼる。例えば、アンドロステノンは人によって不快であったり、ほとんど感じなかったりすることが知られているが、この感覚の違いは OR7D4 と呼ばれる嗅覚受容体遺伝子の配列と大きく相関していることが報告されている。
水生生物では同様に水中の化学物質を認識する機構が存在する。
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